夏でも涼しい家にするための暑さ対策14選|構造・性能・間取りの工夫で快適な住まいに
せっかくマイホームを建てるなら、夏も快適に過ごせる「涼しい家」にしたいですよね。
そこで今回は、夏場に室内が暑くなる原因と涼しい家にするための対策をご紹介します。
構造・性能・間取り・設備などの様々な視点から暑さ対策を解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- ・夏場の住まいは開口部などから熱が伝わり、家の中に暖かい空気が滞留するため、徐々に室温が上昇します。
- ・高気密高断熱住宅にするだけでなく、構造・間取り・設備などにも家を涼しくするための対策を取り入れることが大切です。
- ・高性能な住宅を手がけ、暑さ対策を踏まえた間取りや設備の提案にも強い住宅会社への相談がおすすめです。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
1年を通じて心地良い暮らしが送れるマイホームを建てたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Contents
- 1 夏場に家の中が暑くなる4つの原因
- 2 夏でも涼しい家にするための暑さ対策14選
- 2.1 ①【構造】熱伝導率の低い木造にする
- 2.2 ②【構造】効率的な通気工法を採用する
- 2.3 ③【性能】高気密高断熱住宅にする
- 2.4 ④【性能】屋根から基礎まで建物全体を断熱する
- 2.5 ⑤【間取り】軒や庇で日差しを遮る
- 2.6 ⑥【間取り】窓の大きさと配置を検討する
- 2.7 ⑦【間取り】仕切りの少ない間取りで空気を循環させる
- 2.8 ⑧【設備・仕様】高効率な換気システムを導入する
- 2.9 ⑨【設備・仕様】シーリングファンをつける
- 2.10 ⑩【設備・仕様】調湿機能のある内装材を取り入れる
- 2.11 ⑪【設備・仕様】遮光性の高いカーテンをつける
- 2.12 ⑫【家電】住まいに適したエアコンを導入する
- 2.13 ⑬【家電】除湿器を置く
- 2.14 ⑭【家電】サーキュレーターを使う
- 3 高気密高断熱住宅なら夏も冬もエアコン1台で快適に
- 4 まとめ
夏場に家の中が暑くなる4つの原因
夏場に家の中が暑くなる原因を解説します。
①外から熱が伝わるから
家の中が暑くなる1番の要因は、屋外の熱が室内に伝わることです。
熱は暖かい方から冷たい方へ移動するため、夏場は高温な外気が窓などを伝って室内に移動します。
そのため、徐々に室内の温度が上昇し、部屋の中が暑くなってしまうのです。
②建物の隙間が多いから
建物は施工上の都合で、構造体や建材の継ぎ目にどうしてもわずかな隙間が生じてしまいます。
そのわずかな隙間から熱や暖かい空気が入り込み、室内の温度上昇を招く原因となるのです。
気密性が低いほど建物の隙間が多いため、夏場に外気の影響を受けやすくて室内が暑くなります。
③室内の空気がうまく循環していないから
夏場に家の中が暑くなるのは、建物の中の空気がうまく循環していないことも原因の1つです。
外から温かい空気が入ってきても、室内にしっかりとした空気の流れをつくれていれば、熱も一緒に外へ排出できます。
しかし、効率が悪い換気システムだと一部の空気が滞留し、熱が壁や床などに蓄えられて室内温度がどんどん上がってしまうのです。
④適切な冷房設備を採用していないから
夏場に涼しくならない家は、冷房設備に問題があるケースも多いです。
空間に適した容量のエアコンでないと、空間を十分に冷やすことができません。
また、エアコンの吹き出し口の正面に壁がある場合、冷たい風を遮ってしまうため効果が半減します。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
暑さが厳しい夏でも快適に過ごせる住まいにしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
夏でも涼しい家にするための暑さ対策14選
夏でも涼しい家にするための暑さ対策をご紹介します。
①【構造】熱伝導率の低い木造にする
木は鉄やコンクリートと比べて熱を伝えにくい素材です。
そのため、木造の住まいを選ぶことで、室内温度が急激に上がるのを防ぐ効果があります。
木は調湿効果もあるため、壁内に湿気を溜め込みにくく、ジメジメとした蒸し暑さを軽減することが可能です。
②【構造】効率的な通気工法を採用する
壁内や屋根裏を効率的に換気する通気工法を採用することもポイントです。
部屋の中をどんなに冷房しても、壁内などに熱がこもっていると、室内温度は下がりにくいです。
通気工法を採用することで、壁内・屋根裏・基礎内の暖かい空気が通気層を通じて外へ排出されるため、夏でも涼しい家をつくりやすいです。
③【性能】高気密高断熱住宅にする
高気密高断熱住宅にすることも、涼しい家にするためには欠かせないポイントです。
気密性を高めて建物の隙間を減らし、高断熱化によって熱の出入りを少なくすることで、外気の影響を受けにくくできます。
- ・高性能な断熱材を隙間なく施工する
- ・サッシの性能を高める(複層ガラス・樹脂サッシなど)
- ・FIX窓など気密性の高い窓を採用する
あくまでも一例ではありますが、上記のような方法を取り入れることで、高気密高断熱住宅を建築可能です。
住宅会社によって標準の住宅性能は異なるため、夏場の暑さに効果的なグレードを確保できているか確認しましょう。
ZEHやGX志向型住宅といった、省エネ性能の基準が明確になった住宅もありますので、それらに対応しているかどうかを判断基準にするのもおすすめです。
▷関連コラム:【高気密高断熱住宅】デメリットと9つの対策|必要ない・後悔したと言われる理由も
④【性能】屋根から基礎まで建物全体を断熱する
屋根裏や基礎内に断熱が施されていないと、外気の影響を直接受けてしまい、夏場は非常に高温になります。
そこで、家全体を断熱材で包み込むような「屋根・基礎断熱」がおすすめです。
屋根裏や基礎内が外気の影響を受けにくくなれば、建物内への熱の蓄積を抑えることができます。
▷関連コラム:「屋根断熱」と「天井断熱」の違いとメリット・デメリット|併用はできるのか
⑤【間取り】軒や庇で日差しを遮る
窓から入る熱を防ぐには、軒や庇で直射日光を遮る方法が効果的です。
- ・軒:屋根が外壁から突き出した部分
- ・庇:窓などの上に施工された小さな屋根
どちらも外壁よりも前面に出ているため、夏の高い位置から差し込む直射日光を遮るのに役立ちます。
直射日光による熱の侵入を抑えることで、室内温度が上昇しにくくなり、冷房効率も高めることが可能です。
リビングなどの大きな窓に軒や庇をかけると、より効果を感じやすいでしょう。
建物に凹凸をつけて、バルコニーやテラスを内部に組み込む方法もあります。
軒がほとんどないスタイリッシュな外観でも、しっかりと日差しを遮ることが可能です。
⑥【間取り】窓の大きさと配置を検討する
夏場の熱の侵入は「約70%が窓から」と言われており、重点的な対策が必要です。
窓の性能を高める以外には、窓を小さくして配置にこだわるなどの方法があります。
一回りサイズダウンするだけでも日射量を減らすことができますし、強い日差しが入りにくい東側や北側の窓なら室温が上がりにくいです。
ただし、窓を小さくすると日当たりが悪くなる可能性もあるため、室内の明るさとのバランスを考えながら検討してみてくださいね。
⑦【間取り】仕切りの少ない間取りで空気を循環させる
構造や性能対策がしっかりされた住まいであれば、仕切りの少ないオープンな間取りを取り入れるのもおすすめです。
壁や扉などの仕切りがないことで、室内全体に冷気が循環しやすくなり、効率的に冷房できます。
LDKが中心にあり、洗面所や寝室などに直接つながる住まいなら、扉を開けておくだけで家中に冷気が広がります。
⑧【設備・仕様】高効率な換気システムを導入する
効率的に空気の循環をするなら、高効率な「熱交換型」や「地中熱利用型」の換気システムの導入をおすすめします。
- ・熱交換型換気システム:給気と排気の際に熱交換を行い、室温に近い空気を部屋に送り込む
- ・地中熱利用型換気システム:外気の影響を受けにくい地中熱を利用し、室温に近い空気を部屋に送り込む
どちらのシステムも、外の熱い空気がそのまま室内に入ることがないため、家の温度上昇を防ぐことができます。
詳しくはこちらのコラムで詳しく解説していますので、チェックしてみてくださいね。
▷関連コラム:第一種換気の「熱交換型」とは何か|仕組みや種類、メリット・デメリットを解説
⑨【設備・仕様】シーリングファンをつける
シーリングファンをつけて、上下方向の空気の流れをつくり出す方法もおすすめです。
大きなファンで空気を循環することで、温度ムラのない快適な環境をつくることができます。
下向きの風が出るようにファンを回転させれば、風が直接当たって扇風機のような心地良さも感じられます。
シーリングファンは1年を通じて使える設備のため、採用するメリットは大きいです。
⑩【設備・仕様】調湿機能のある内装材を取り入れる
調湿機能のある内装材を取り入れて、湿度の上昇を抑えることもポイントです。
湿度が高い部屋はジメジメしやすく、蒸し暑さを感じやすいですよね。
無垢材や珪藻土などの自然素材は、調湿効果があるため室内の湿気を吸収してくれます。
その他にも、調湿機能付きのタイルなどもありますので、内装デザインに合うものを選びましょう。
⑪【設備・仕様】遮光性の高いカーテンをつける
遮光性の高いカーテンをつけて、夏場の強い日差しをブロックする方法も効果的です。
高性能な窓と組み合わせることで、より効果が期待できます。
さらに、窓の外側にシェードを付ければ、窓に当たる前の直射日光を遮ることが可能です。
⑫【家電】住まいに適したエアコンを導入する
住まいに合ったエアコンの導入も、夏の暑さ対策では重要なポイントです。
空間の広さに適した容量のエアコンを選び、風の流れを遮る壁や家具がない場所に設置すれば、冷房効率を高めることができます。
高性能エアコンを選べば、少ないエネルギーで部屋を冷やすことができるため、エコで光熱費を抑えることも可能です。
高気密高断熱住宅に高性能なエアコンを組み合わせ、快適で省エネ性の高い住まいを建てましょう。
⑬【家電】除湿器を置く
湿度が高くなりやすい洗面所やランドリールーム、寝室などには除湿器の使用がおすすめです。
湿気が多い部屋は蒸し暑さを感じるだけでなく、カビの発生や嫌な臭いの原因にもなります。
住まいの換気設備だけでは湿気を十分に下げられないケースもあるため、家電を上手に取り入れてみてくださいね。
⑭【家電】サーキュレーターを使う
シーリングファンに加えてサーキュレーターを導入すると、より効率的に空気の流れをつくり出せます。
特に、部屋の隅や廊下などは空気が滞りやすいため、サーキュレーターの効果を感じやすいです。
室内全体の空気を循環できれば、空間ごとの温度差を減らすことができ、どこにいても快適な住まいを実現できます。
高気密高断熱住宅なら夏も冬もエアコン1台で快適に
今回ご紹介した対策がしっかり取り入れられた高気密高断熱住宅であれば、エアコン1台で夏も冬も快適に過ごすことが可能です。
そのような暮らしを実現させたいなら、家づくりの際に以下のポイントを意識しましょう。
【ポイント】
- ・熱の出入りを抑える工夫がされている
- ・空気がしっかりと循環する仕組みができている
- ・仕切りの少ない開放的な間取りが取り入れられている
- ・適切な容量の高効率エアコンが導入されている
構造・性能・間取り・設備などに関する様々な工夫を取り入れて、快適な住まいを手に入れてくださいね。
▷関連コラム
・「エアコン1台で家全体を冷暖房」は高気密高断熱住宅がポイント|間取りのコツも解説(R+house)
・冬も「暖かい家」にする12の工夫|構造・性能・設備・間取りのポイントを解説 –
まとめ
年々夏の暑さが厳しくなっているため、家を涼しくするための対策は必須と言えます。
構造や性能のハード面だけでなく、間取りや仕様などのソフト面など、家づくり全体で暑さ対策を取り入れることが大切です。
標準仕様で高気密高断熱住宅を提案している住宅会社へ相談し、夏も涼しく快適な暮らしを実現しましょう。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
60年以上にわたり愛知県で家づくりを続けてきた弊社に、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者情報

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国松工務店では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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