【高気密高断熱住宅】デメリットと9つの対策|必要ない・後悔したと言われる理由も
高気密高断熱住宅は、快適性が高まるなどのメリットに注目が集まりやすいですが、実はデメリットもあります。
採用する際は事前にデメリットを理解して、後悔しないように対策することが大切です。
そこで今回は、高気密高断熱住宅のデメリットと対策を解説します。
高気密高断熱住宅に対して「必要ない・後悔した」などの意見がある理由もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- ・高気密高断熱住宅は、一般的な住宅と比べて空気がこもりやすく、内部結露や乾燥に注意が必要です。
- ・効率的な換気や調湿、空気が循環しやすい間取りを取り入れるなどの工夫で、高気密高断熱住宅の快適性は高められます。
- ・ただ高性能な断熱材やサッシを採用するだけでなく、適切な施工をしてくれるような、高気密高断熱住宅の施工実績が豊富な会社に家づくりを依頼しましょう。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
標準仕様で高気密高断熱住宅をご提案可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
高気密高断熱住宅の特徴とメリット
高気密高断熱住宅とは、その名の通り「気密性」と「断熱性」を高めた住まいのことを指します。
- ・気密性:建物の隙間を少なくすることで性能を高めることができる
- ・断熱性:熱の出入りを減らす断熱材やサッシを選ぶことで性能を高めることができる
高気密高断熱住宅には、次のようなメリットがあります。
【高気密高断熱住宅のメリット】
- ・熱の出入りが少ないため適正な室温を保ちやすくて快適
- ・冷暖房効率が良くなるので光熱費の削減が期待できる
- ・部屋ごとの温度差が少ないのでヒートショックのリスクを軽減できる
- ・過ごしやすい室温なら家での活動量増加につながる
- ・防音効果がある
多くのメリットがあるため、近年では高気密高断熱住宅を建てたいと希望される方も多いです。
高気密高断熱住宅のデメリット
住まいの快適性を高める高気密高断熱には、デメリットもありますので内容を理解しておきましょう。
空気がこもりやすい
高気密高断熱住宅は、一般的な住宅と比べて空気の逃げ道が少ないため、空気がこもりやすいです。
空気が入れ替わりにくいと、ハウスダストが溜まったりシックハウス症候群など健康被害が起こりやすくなったりする可能性があります。
適切な換気を行い、汚れた空気は排出してきれいな空気を取り込むことが大切です。
内部結露やカビが発生する可能性が高まる
高気密高断熱住宅は、空気だけでなく湿気もこもりやすいです。
室内の湿度が上がると、カビやダニの発生リスクが高まるため注意しなければいけません。
また、断熱材の施工が不十分な場合、壁内・天井裏・基礎などで内部結露が起こる可能性も考えられます。
厚みのある良い断熱材を採用しているだけでなく、高い技術力を持っている会社に施工してもらうことも大切です。
室内が乾燥しやすい
高気密高断熱住宅では、屋外の湿度の影響も受けにくいため、室内が乾燥しやすいです。
外の湿気を取り込みにくい室内で、24時間換気してエアコンなどを付けているとどんどん湿度が下がります。
冬場は特に乾燥が気になり、肌トラブルや喉の痛みなどにつながる可能性もあるため、高気密高断熱住宅では加湿が必須です。
住宅会社によっては高額な追加費用がかかる
高気密高断熱住宅にするために、性能の高い断熱材やサッシを採用したり、断熱方法を変更したりする住宅会社もあります。
標準仕様から大幅な変更がある場合、高額な追加費用がかかる可能性もあるため、注意しなければなりません。
高気密高断熱住宅が標準仕様で建てられる住宅会社なら、最初の段階で費用を想定しやすいので、予算オーバーを防ぎやすいです。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
標準仕様で高気密高断熱住宅をご提案可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
「必要ない・後悔した」などの意見がある理由とは
高気密高断熱住宅のデメリットを知らずに採用し、住んでから「必要ない・後悔した」と感じる方も中にはいるようです。
具体的にどのような点が理由になっているのか確認しましょう。
思っていたよりも夏は暑くて冬は寒かったから
高気密高断熱住宅にしたのに、思っていたより快適ではなかったからという意見です。
中には、高気密高断熱住宅なら冷暖房が不要と思っている方もいますが、それは大きな間違いです。
どんなに高性能な住宅でも、涼しい・暖かい空気を送り込まないと快適な室温にはなりません。
魔法瓶の水筒に常温の水を入れたときに、冷たくも暖かくもなりませんよね。
高気密高断熱住宅も同じで、保温性は高いですが、冷暖する機能は持っていないことを理解しておきましょう。
窓を小さくしたら暗くて息苦しさを感じたから
高気密高断熱住宅にするために、窓を小さくする方法を採用する住宅会社もあります。
なぜなら、小さな窓なら熱が出入りする面積を制限でき、断熱性を高めることができるからです。
しかし、窓が小さいと採光・採風を確保しにくく、閉塞感があって息苦しかったと後悔している方もいます。
喘息やアレルギー鼻炎が悪化したから
高気密高断熱住宅を採用したら、喘息やアレルギー鼻炎が悪化したというケースもあるようです。
理由は、換気不十分によってハウスダストが排出できていない点、空気の乾燥によって喉や鼻へ影響が出た点などが想定できます。
ただ高気密高断熱住宅にするだけでなく、換気や乾燥への対策を取り入れることが大切です。
石油ストーブが使えないと知らなかったから
高気密高断熱住宅では、これまで使っていた石油ストーブが使えなくて残念だったと感じた方もいます。
石油ストーブは一酸化炭素を排出するため、建物の隙間が少ない高気密な家では排気が間に合わず、一酸化炭素中毒になるリスクがあるからです。
詳しくはこちらのコラムで解説していますので、チェックしてみてくださいね。
▷関連コラム:高気密住宅で石油ストーブは使用NGと言われる理由|おすすめな暖房器具もご紹介(R+house)
住み心地の良い高気密高断熱住宅にする9つの対策
住み心地の良い高気密高断熱住宅にするための対策をご紹介します。
①高効率な換気システムを採用する
高気密高断熱住宅は空気がこもりやすい点がデメリットのため、効率的な換気システムを採用することがポイントです。
現在24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、細かな商品の指定などはないため、設備は付いていても換気が不十分な住宅は存在します。
おすすめは熱交換型や地中熱利用型の第一種換気システムです。
- ・熱交換型:排気の熱を回収し、給気に再利用するエコなシステム
- ・地中熱利用型:年間を通じて快適な温度の地中熱を給気に利用するエコなシステム
- ・第一種換気:給気・排気共に機械で管理する効率的なシステム
【地中熱利用型の第一種換気システム】
十分な換気によって、いつもきれいな空気が巡回するような高気密高断熱住宅を実現しましょう。
②ハウスダストを除去しやすい仕組みを取り入れる
ハウスダストが溜まりやすい高気密高断熱住宅では、除去しやすい仕組みを取り入れることも大切です。
具体的には「床面排気」をおすすめします。
床面排気とは、換気システムの排気口が床面に付いているタイプのことです。
一般的な換気システムの排気口は天井付近の壁面に付いていることが多く、ハウスダストが排気しにくいだけでなく舞い上げてしまいます。
床面排気なら、ハウスダストを効率的に除去することが可能です。
③高性能な大きな窓で採光を確保する
窓の大きさによって断熱性に差が付くことは確かですが、小さくすることで住み心地が悪くなっては意味がありません。
たっぷりと日差しを取り込みたい空間には大きな窓を付け、サッシの性能を高めるなどの工夫を取り入れましょう。
【サッシの性能を高める方法】
- ・ダブル・トリプルなどの複層ガラスを採用する
- ・熱を通しにくい樹脂サッシを選ぶ
- ・アルゴンガス・クリプトンガスなどを充填したガラスにする
- ・Low-e膜が施工されたガラスで遮熱性を高める
住宅会社によって標準仕様のサッシのグレードは異なるため、事前に確認しておきましょう。
④開放的な間取りで空気の流れを良くする
間取りの工夫によって、空気の流れを良くすることもポイントです。
具体的には、次のような開放感のある間取りをおすすめします。
- ・吹き抜けやリビング階段で1・2階がつながる間取り
- ・空間を仕切る廊下がない間取り
- ・ドアが少ないワンルームのような間取り
仕切りが少なく、各空間がつながっていた方が家中の空気は循環しやすいです。
上記のような間取りは採光・採風も確保しやすいため、快適性を高めたいなら検討しましょう。
⑤高性能エアコンなどの空調設備を導入する
先ほどご紹介した開放的な間取りは空気の流れをつくりやすくなりますが、冷暖房する範囲が増えるため、寒さや暑さを感じやすくなる可能性があります。
そこで、高性能エアコンなどの空調設備を採用しましょう。
熱の出入りが少ない高気密高断熱住宅なら、高性能エアコン1台で家中を冷暖房することも可能です。
▷関連コラム;「エアコン1台で家全体を冷暖房」は高気密高断熱住宅がポイント|間取りのコツも解説(R+house)
⑥シーリングファンをつけて空気を循環させる
シーリングファンを天井に付けて、機械の力で空気を循環させることもポイントです。
冷気は下降して暖気は上昇する特性があるため、ファンの力で循環させることで、空間の温度差を軽減できます。
特に吹き抜けを採用すると、冬場は天井付近に暖気が溜まって足元が冷えやすいため、シーリングファンの採用が効果的です。
⑦調湿効果のある内装材を施工する
多湿や乾燥を防ぐために、次のような調湿効果のある内装材の採用がおすすめです。
- ・無垢の床材やアクセントウォール
- ・漆喰や珪藻土の壁
- ・エコカラットなどのタイル材
調湿することで室内の不快感を軽減するだけでなく、カビ・ダニなどの発生リスクも軽減させることが可能です。
除湿器や加湿器も併せて導入し、適切な湿度を保てる環境をつくりましょう。
⑧補助金を活用して費用の負担を軽減させる
高気密高断熱住宅の性能によっては、補助金を活用できます。
2025年は「子育てグリーン住宅支援事業」で、省エネ住宅の建築に対して補助を行っています。
【補助額】
- ・GX志向型住宅:160万円
- ・長期優良住宅:80万円
- ・ZEH水準住宅:60万円
性能を高めるためにかかった金額を補助金でまかなうことが可能です。
それぞれの住宅に対して、性能基準が設けられていますのでチェックしてみてくださいね。
参考:新築住宅の省エネ性能|子育てグリーン住宅支援事業【公式】
⑨高気密高断熱住宅の施工実績が豊富な住宅会社に依頼する
高気密高断熱住宅を建てるなら、施工実績が豊富な住宅会社に依頼しましょう。
住宅の性能を高めるために、ただ高性能な建材や断熱材を使うだけでなく、適切な施工や細かな間取りの工夫なども取り入れてくれる会社がおすすめです。
標準仕様で高気密高断熱住宅を建てられる住宅会社なら、大幅な費用増加を防げるなどのメリットもありますので、会社選びの参考にしてみてくださいね。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
間取りやデザインのご要望を実現しつつ、標準仕様で高気密高断熱住宅をご提案しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
高気密高断熱住宅は空気がこもりやすく、結露や乾燥しやすいなどのデメリットがあります。
しかし、建築時に対策することで高気密高断熱住宅のデメリットを解消して、より快適性を高めた住まいにすることは可能です。
高気密高断熱住宅の実績が豊富で、質の高い施工をしてくれる住宅会社を選びましょう。
監修者情報

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国松工務店では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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