高気密高断熱住宅は乾燥しやすいと誤解される理由|建物の仕組みと対策をわかりやすく解説

「高気密高断熱住宅は乾燥しやすい」という意見をネットなどで目にすることがありますが、実際には誤解されているケースも少なくありません。
そこで今回は、高気密高断熱住宅が乾燥しやすいと言われる理由と、実際の原因についてわかりやすく解説します。
高気密高断熱住宅の仕組みを踏まえたうえで、湿度を保つための対策もご紹介しますので、家づくりにぜひお役立てください。
<コラムのポイント>
- ・高気密高断熱住宅は乾燥しやすいと言われる原因として、現代の換気と暖房の仕組みが挙げられます。
- ・24時間換気による計画的な空気の循環やエアコンによる暖房によって、高気密高断熱住宅は乾燥しやすい環境にあります。
- ・高気密高断熱住宅の特性を踏まえて間取りや設備を提案してくれる、実績豊富な住宅会社に相談しましょう。
愛知・名古屋の国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをしています。
「高気密高断熱住宅」を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Contents
高気密高断熱住宅とは

高気密高断熱住宅とは、気密性と断熱性に優れた住宅のことを指します。
- ・気密性:建物の隙間をできるだけ減らし、不要な空気の出入りを抑える性能のこと
- ・断熱性:室内外の熱の移動をできるだけ抑え、外の暑さや寒さの影響を受けにくくする性能のこと
この2つの性能が高まることで、少ない冷暖房エネルギーでも快適な室温を保ちやすくなり、住まいの快適性や省エネ性の向上につながります。
さらに、適温の住まいでは運動量の増加やヒートショックのリスク軽減など、健康的な暮らしが送りやすい点もメリットです。
高気密高断熱住宅が乾燥すると誤解される理由

メリットが多い高気密高断熱住宅ですが、よく「乾燥する」と言われることがあります。
冬場は空気中の水分量が少ないため、室内の湿度も下がり、乾燥を感じるのは確かです。
しかし、これは高気密高断熱住宅でなくても同じことが言えます。
まずは、現代の高気密高断熱住宅と昔の住宅の仕組みを理解し、乾燥の原因を整理してみましょう。
現代は計画換気、エアコンが主流になっている
現代の住まいの換気方法と暖房方法に着目します。
【換気方法】
現在の建築基準法では、24時間換気が義務化されています。
24時間換気とは、2時間に1回、家全体の空気が入れ替わるように計画された換気方式のことです。
常に外気を取り入れながら室内の空気を排出しているため、冬場は乾燥した外気が継続的に室内へ入り込みます。
その結果、室内の湿度が下がりやすい環境がつくられる仕組みです。
特に高気密高断熱住宅で採用されることが多い第一種換気は、給気と排気の両方を機械で管理しているため、計画的な空気の循環が可能です。
その結果、室内はより乾燥しやすい環境になります。
【暖房方法】
現代の住宅ではエアコンによる暖房が主流です。
一部の機種を除いて、多くのエアコンには加湿機能がなく、空気中の水分量は増えないまま室温だけが上昇します。
空気は温度が上がるほど-存在できる水蒸気量が増える性質があるため、室温を上げると「相対湿度」は下がります。
その結果、室内が乾燥しているように感じられるのです。
※相対湿度:空気中に含まれる水分量が、その温度で最大限含むことができる量に対して、どのくらいの割合かを示す数値
現代の住宅では、換気方法と暖房方法のどちらを見ても、室内が乾燥しやすい仕組みになっていることが分かります。
昔は自然換気、石油ストーブが主流だった
続いて、昔の住宅の換気方法と暖房方法を確認しましょう。
【換気方法】
24時間換気システムの設置義務は、2003年の建築基準法改正によって導入されました。
それ以前の住宅で採用されていたのは、建物の隙間風や窓を開けることで室内の空気を入れ替える「自然換気」です。
自然換気では室内の空気が十分に循環しないこともあり、高気密高断熱住宅のように計画的な換気が行われる場合と比べて、湿度が下がりにくい環境になっていました。
空気の流れが滞ると、料理や室内干しなどで発生した水蒸気が室内の空気中に留まりやすくなります。
それに加えて、換気が不十分な状態が続くと室内の水分が残りやすく、湿度が比較的保たれることもありました。
▷関連コラム:24時間換気は必要なのか|いらないと言われる理由とメリット・デメリット、不要になるケースを解説
【暖房方法】
高気密高断熱住宅が主流になる前は、石油ストーブによる暖房が一般的でした。
石油ストーブは燃料の石油を燃焼させる際に、水蒸気を発生させるため、室内の湿度をある程度保つ効果があります。
さらに、ストーブの上に水を入れたやかんや鍋を置くことで、より加湿効果を高める家庭も多くありました。
高気密高断熱住宅でも、石油ストーブを使えばいいのではないかという意見もあります。
しかし、燃焼時に一酸化炭素などの有害ガスが出るため、換気不足だと中毒のリスクが高まります。
特に高気密住宅では自然な空気の流れが少なく、安全面から仕様を推奨しない住宅会社も少なくありません。
【結論】高気密高断熱住宅が乾燥するのは“住宅性能”の問題ではない

ここまで高気密高断熱住宅が乾燥しやすい理由として、換気方法と暖房方法の違いをお伝えしました。
結論をお伝えすると、高気密高断熱住宅が乾燥するのは住宅性能の問題ではなく、現代の住宅の「仕組み」が原因であると言えます。
そのため、高性能住宅であるほど乾燥するという認識は誤解です。
【ポイント】
高気密高断熱住宅は、工夫次第では乾燥を防ぎやすい住宅とも言えます。
なぜなら、余分な外気が入らないため、加湿をしっかりと行えば湿度を保ちやすいからです。
次章で高気密高断熱住宅におすすめな乾燥対策をご紹介しますので、ぜひ家づくりにお役立てください。
<建築時>高気密高断熱住宅の乾燥対策

高気密高断熱住宅を建てる際に取り入れるべき乾燥対策をご紹介します。
全熱交換式の第一種換気を検討する
高気密高断熱住宅で第一種換気を採用する場合は、全熱交換式の機器をおすすめします。
全熱交換式の第一種換気とは、室内外の空気を給気・排気する際に、熱と湿気を交換して効率よく室内に取り込む機器です。
【冬の場合】
- ①室内の「暖かくて水分を含んだ空気」が全熱交換器に送られる
- ②空気中の熱と湿気が全熱交換器の素子に移動し、排気される
- ③外気の「冷たくて乾燥した空気」が全熱交換器に取り込まれる
- ④取り込んだ外気は、素子を通して熱と湿気を受け取って室内へ給気される
全熱交換式ならではの空気の流れにより、給気時に外気の湿度をある程度取り込むことが可能です。
その結果、一般的な24時間換気と比べて、室内の湿度が保たれやすくなります。
▷関連コラム:第一種換気の「熱交換型」とは何か|仕組みや種類、メリット・デメリットを解説
調湿効果のある内装材を取り入れる
調湿効果のある内装材を取り入れることで、乾燥を和らげることができます。
次のような内装材が効果的です。
- ・無垢フローリング
- ・板張り天井や壁
- ・エコカラット
- ・調湿機能付きクロス
- ・珪藻土や漆喰
自然素材は調湿機能が高いことが多く、室内の湿度を安定させるのに役立ちます。
室内干しスペースをあらかじめ確保
室内干しスペースを活用することで、日常生活の中で自然に湿度を補うことが可能です。
特に、乾燥が気になりやすいLDKや寝室に隣接したランドリースペースなどを確保しておくと、効率よく加湿できます。
室内干しすると、1回の洗濯で2リットル程度の水分が蒸発するとも言われているため、上手に活用することがポイントです。
愛知・名古屋の国松工務店では、高気密・高断熱な家づくりを行っています。
「高気密高断熱住宅の冬の乾燥が心配」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<入居後>高気密高断熱住宅の乾燥対策

高気密高断熱住宅に入居した後におすすめの乾燥対策をご紹介します。
- ・加湿器を適切に使う
- ・洗濯物の室内干しを活用する
- ・観葉植物を取り入れる
- ・湿度計で数値を管理する
加湿器は部屋の中央やエアコンの風が届く位置に置くことで、効率的に加湿しやすくなります。
乾燥した暖かい空気は上昇する性質のため、床から30cm以上の高さがある台などの上に置くのもおすすめです。
温湿度計を使い、常に温度や湿度を調整できるようにしておくことで、快適な室内環境を保つことができます。
湿度の目安は40〜60%で、それを大きく超えると結露の原因になります。
住宅が結露するとカビやダニの繁殖だけでなく、建築材の腐食の原因にもなるため、加湿しすぎには注意が必要です。
まとめ
高気密高断熱住宅は確かに乾燥しやすい家の仕組みになっていますが、住宅性能が直接関係しているわけではありません。
新築時に湿気対策になる換気方法や間取りなどを取り入れ、入居後も湿度の管理を意識的に行うことで、室内の快適性を保つことにつながります。
高気密高断熱住宅の特性をしっかりと理解したうえで、間取りや設備を提案してくれる住宅会社を選ぶことがポイントです。
▷関連コラム:冬も「暖かい家」にする12の工夫|構造・性能・設備・間取りのポイントを解説
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監修者情報

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