基礎断熱で後悔しないためにやるべき5つのこと|デメリットや床断熱との違いも解説
住宅で採用される床下の断熱は、「基礎断熱」と「床断熱」の2種類です。
基礎断熱は「高気密高断熱住宅」で採用されるケースが多いですが、採用して後悔したという意見もあり、不安に感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、基礎断熱のデメリットと後悔しないために新築時にやるべきことをご紹介します。
基礎断熱のメリットや床断熱との違いも分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- ・「基礎断熱」とは基礎を丸ごと断熱材で覆う方法で、床断熱と比べて気密性・断熱性を高められる点がメリットです。
- ・基礎断熱は地中熱を利用できるため、床下換気システムと組み合わせることで、省エネルギーで室内を快適な温度にできます。
- ・基礎内の多湿や換気不十分などを防ぐために、基礎断熱の実績が豊富な住宅に設計・施工してもらうことがおすすめです。
基礎断熱とは
※国松工務店の施工事例ではありません。
基礎断熱とは、その名の通り基礎に断熱材を施工する方法です。
基礎も断熱材で覆うことで、室内と同様に外気の影響を受けにくい状況をつくることができます。
基礎の内側または外側だけ、内外両方に断熱材を施工するなど、住宅会社によって基礎断熱の方法は様々です。
基礎断熱と床断熱の違い
※国松工務店の施工事例ではありません。
基礎断熱以外の方法が、床下に断熱材を施工する「床断熱」です。
1階の床下に断熱材を施工するため、基礎内は常に外気の影響を受ける状況になります。
基礎断熱と床断熱の違いを確認しましょう。
基礎断熱 | 床断熱 | |
---|---|---|
基礎の扱い | 室内と同様の扱い (基礎も断熱材で覆う) |
屋外と同様の扱い (基礎は断熱しない) |
基礎と土台のパッキン | 気密パッキン (外気の侵入を防ぐもの) |
通気パッキン (外気を取り入れるもの) |
換気方法 | 室内と同様に24時間換気システムで換気する | 外気を取り込んで換気する |
基礎内の気密性・断熱性 | 高い | 低い |
基礎断熱は、居室と同様に基礎も断熱材で覆います。
基礎と土台の間に空気を通さない気密パッキンを施工するため、基礎内に外気を取り込まない考え方が基本です。
一般的に、基礎内は居住空間の換気と同じ方法である、24時間換気によって計画的に空気の入れ替えを行います。
対して、床断熱は通気パッキンを施工して、基礎に外気を取り込んで自然の力で換気する考え方が基本です。
基礎は常に外気に触れている状態のため、冬場は基礎内が冷え込み、夏場は温度が上昇します。
基礎内の気密性・断熱性を高められる点が基礎断熱の最大のメリットであり、床断熱との違いです。
基礎断熱のメリット
基礎断熱のメリットを詳しく確認しましょう。
気密性が高く基礎が外気の影響を受けにくい
先ほどもお伝えした通り、基礎断熱は外気の影響を受けにくい点がメリットです。
- ・基礎が断熱材で覆われているため熱が伝わりにくいから
- ・基礎と土台の間に気密パッキンがあるので外気が侵入しにくいから
基礎断熱によって基礎内が外気の影響を受けにくくなると、床断熱と比べて1階の床の温度が下がりにくくなります。
基礎断熱によって床の底冷えを防ぐことができれば、冬場の快適性を高めることが可能です。
地中熱を利用できるため省エネルギーで冷暖房できる
基礎断熱にすることで、基礎と居住スペースにつながりをつくることができるため、地中熱を利用することが可能です。
年間を通して温度差が少ない地中熱を利用することで、冷暖房器具を省エネ運転にしても快適な室温にすることができます。
具体的には、地中熱を利用して屋外から取り入れた空気を暖め(冷やし)て、居住スペースに取り込む方法です。
▷国松工務店の地中熱利用型換気システム(第一種換気)の詳細はこちら
床下換気システムを取り入れることで、地中熱を利用した空気の循環が可能になります。
ちなみに、床暖熱は基礎が外気にされされているため、地中熱を利用することができません。
基礎断熱だからこそできる、地中熱を利用した高い省エネ性能の換気システムです。
配管が凍結しにくい
基礎断熱は、基礎内が外気の影響を受けにくいため、配管が凍結しにくい点もメリットです。
床暖熱の場合、冬場は基礎内に施工された配管が冷えて、凍結するケースも少なくありません。
凍結すると水が出なくなるだけでなく、配管が破裂して水漏れするリスクがあります。
基礎断熱を採用すれば、配管の凍結トラブルを事前に予防することが可能です。
基礎断熱のデメリット
基礎断熱のデメリットをご紹介します。
具体的な対策は後ほどご紹介しますので、まずは基礎断熱の注意すべき点を理解しておきましょう。
基礎内の換気が不十分になる可能性がある
基礎断熱は外気の通り道を塞いでいるため、計画的に換気をしないと十分に空気の入れ替えができないケースがあります。
基礎内の換気が不十分だと基礎内が多湿になり、コンクリートや断熱材にカビが発生するリスクや、構造体が腐朽する可能性があるため注意が必要です。
構造体や基礎、断熱材が劣化すると、建物全体の耐震性・断熱性の低下につながります。
また、基礎内で発生したカビが換気によって居住スペースにも侵入し、健康被害をもたらす危険性がある点もデメリットです。
基礎の状態を確認しにくい
基礎断熱は断熱材で基礎を覆うため、基礎の状態を確認しにくい点もデメリットです。
例えば、基礎にヒビが入っいたり、断熱材と基礎の間がカビていたりするリスクも考えられます。
床断熱の場合、基礎は丸見えの状態なので、これらの変化に気付きやすいです。
シロアリ被害のリスクが高まる
シロアリが侵入する経路の多くは「基礎から」と言われています。
また、シロアリが好む断熱材が土壌に触れている「基礎外」断熱はシロアリ被害を受けやすいです。
ただし、シロアリ被害は対策することでリスクを軽減させることができます。
次章で基礎断熱のデメリットを解消するための対策をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
基礎断熱で後悔しないために新築時にやるべき5つのこと
基礎断熱を採用して後悔しないために、新築時にやるべきことをご紹介します。
①床下換気の効率性を高める
床下の換気不十分による多湿・空気環境の悪化、シロアリ被害を防ぐためには、床下換気の効率性を高めることが大切です。
機械の力で換気する第一種換気を採用し、計画的に床下の換気を行える環境づくりをしましょう。
さらに、床下に換気システムを入れることで、より効率的に基礎内の換気をすることが可能です。
▷国松工務店の地中熱利用型換気システム(第一種換気)について
②防湿シートで湿気対策をする
基礎は土壌に含まれる水分によっても湿度が上昇します。
そのため、土壌と基礎の間に防湿シートを施工して、水分の基礎内への侵入を防ぐことも大切です。
基礎完成後は、防湿シートが基礎下に隠れて見えなくなってしまうため、施工の有無を事前に確認しておくことをおすすめします。
③断熱材・土台の防蟻性を高める
シロアリ被害のリスクを軽減させるために、断熱材や土台の防蟻性を高めることも大切です。
防蟻加工された断熱材・土台を採用することで、シロアリの侵入を防ぎやすくなります。
ただし、防蟻加工は5~10年で効果が見込めなくなることが一般的なため、定期的に再処理を行いましょう。
④定期的に床下を点検してくれる住宅会社を選ぶ
基礎内の劣化を見逃さないために、定期的に床下の点検をしてくれる住宅会社を選ぶことが大切です。
床下の点検をご自身で行うのは難しく、基礎に断熱材が施工されている場合はさらに難易度が上がります。
定期点検のスケジュールを組んでくれたり、希望したらすぐに確認に来てくれたりするような、建ててからのサポートも充実している会社を選びましょう。
⑤基礎断熱の施工実績が多い会社に施工を依頼する
基礎断熱を採用するなら、施工実績が豊富な住宅会社に依頼することがポイントです。
基礎断熱の施工実績が多くない会社の場合、施工が不十分で断熱性・気密性が下がってしまったり、換気が計画的にできなかったりするリスクが考えられます。
標準仕様で、基礎断熱+床下換気(第一種換気システム)を採用している、知識と実績が豊富な会社に設計・施工をお願いすることが好ましいでしょう。
国松工務店では、基礎から屋根裏まで断熱材で覆う「ホールハウス断熱」を採用しています。
また、地中熱を活かした第一種換気システムによる「床下換気」も標準仕様です。
断熱性・気密性だけでなく、空気の質までこだわった家づくりをしたい方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
まとめ
基礎断熱は、建物の断熱性・気密性を高めるために効果的な断熱方法です。
基礎内の換気や湿気対策などをしっかりと行い、デメリットを対策した上で採用することがポイントです。
基礎断熱を採用して後悔しないために、施工実績が多い住宅会社に設計・施工してもらいましょう。
国松工務店では、「家を創り、家族を創る」をモットーに家づくりをご提案しております。
良質な室温や空気環境にこだわった住まいのご提案を得意としておりますので、基礎断熱が気になる方はぜひお気軽にご相談くださいね。
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