「通気工法」とは|外壁・屋根の通気層で結露を防ぐ仕組みとメリット・デメリットを解説

「通気工法」は、壁内や屋根などの室内からは見えない部分の空気を循環させ、建物の状態を維持するための仕組みです。
こちらのコラムでは、通気工法の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
従来の通気工法を進化させた「通気断熱WB工法」についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<コラムのポイント>
- ・「通気工法」とは、壁内や屋根に通気層を設け、湿気や熱を効率的に逃がすための仕組みです。
- ・通気層は、結露によるカビの発生や構造体・断熱材の腐朽を防ぐ役割を果たします。
- ・従来の通気工法を進化させた「通気断熱WB工法」を採用することで、より快適性を高めた住まいを実現可能です。
愛知・名古屋の国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
「通気断熱WB工法」を施工できる認定工務店ですので、住まいの快適性を高めたい方はぜひお気軽にご相談ください。
Contents
通気工法(通気構法)とは|仕組みを分かりやすく解説

通気工法とは、壁内や屋根に通気層を設け、湿気や熱を建物の外へ効率的に排出するための工法です。
建築基準法などの法令上は「通気構法」の漢字が使われるケースがありますが、「通気工法」と同じ意味合いを持ちます。
外壁の通気工法
外壁材と躯体の間に通気層を設け、空気の通り道をつくる仕組みです。
近年では、従来のように「胴縁」と呼ばれる木材を挟む方法ではなく、アルミや鋼材などの「通気金物」を使った施工が増えています。
躯体の外側に透湿防水シートを施工することで、通気層を通る湿気が壁内に侵入するのを防ぎつつ、壁内の湿気は通気層へ排出することが可能です。
屋根の通気工法
屋根にも通気層を設けて湿気や熱を逃がす「通気工法」を採用できます。
一般的には、外壁と屋根の通気層はつながっていて、屋根の頂点部である「棟」に設けた換気口から空気が排出されます。
サイディングでは「通気工法」が義務化されている

サイディング外壁を採用した建物は、通気工法の採用が義務化されています。
義務化は2000年4月に品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が施行されたタイミングでスタートしました。
品確法の「劣化対策等級(構造躯体等)」において、通気工法の必要性が明示されています。
通気工法を採用するメリット

通気工法を採用するメリットをご紹介します。
メリット① 効率的に室内の湿気を排出できる
通気層を設けることで、壁内に溜まる湿気を効率的に屋外へ排出できます。
湿気は風通しの悪い場所に溜まりやすく、住宅においては外壁と構造体などの隙間に滞留していました。
通気工法によって壁や屋根を換気することで、建物の耐久性向上や快適な室内環境が整います。
メリット② 壁内の結露発生を防げる
通気層によって湿気を逃がすことで、壁内の結露発生を防ぐことができます。
高気密・高断熱住宅では建物の隙間がほとんどないため、室内を24時間換気で循環させても、壁内まで十分に換気することはできません。
しかし、通気層を設けることで壁内や屋根までしっかり換気できるため、結露による躯体のカビ発生や腐朽を防ぎやすくなります。
▷関連コラム:【高気密高断熱住宅】デメリットと9つの対策|必要ない・後悔したと言われる理由も
メリット③ 湿気による断熱材の劣化を防ぐ
通気工法は、湿気による断熱材の劣化を防げる点がメリットです。
通気工法がない住宅では壁内で結露が起こり、断熱材が湿気を吸って劣化したり、水分の重みによって下がったりします。
これらの現象によって断熱材と構造体の間に隙間が生まれ、断熱性・気密性の低下につながるため注意が必要です。
「通気工法」の住まいでは湿気を屋外に排出できるため、断熱材が水分の影響を受けずに品質を維持しやすくなります。
メリット④ 熱を逃がして外気の影響を受けにくくする
通気層は湿気だけでなく、熱も逃がせる点も通気工法の特徴として挙げられます。
特に夏場は熱気が壁内や屋根に溜まりますが、通気層を設けることで効率的に排出することが可能です。
通気工法によって壁内が高温にならない環境ができるため、部屋の中が外気の影響を受けにくくなります。
通気工法を採用するデメリット

通気工法を採用するデメリットを紹介します。
①施工技術が効果に影響する
通気工法は施工技術によって効果に差が出る点がデメリットです。
- ・通気層の厚みや金物の取り付けが不十分:空気が効率的に循環せずに結露する可能性がある
- ・透湿防水シートに隙間がある:湿気が壁内に侵入して躯体や断熱材の劣化につながる
そのため、通気工法を採用する際は、施工精度の高い業者に依頼することが重要です。
②外周の厚みが若干増える
通気層を設けることで、外壁が若干厚くなります。
狭小地への建築で、境界の近くに建物を配置する際には注意しましょう。
とはいえ、建物全体で3cm程度の厚みが増えるだけなので、設計上問題にならない場合がほとんどです。
③冬場は冷気の影響を受けやすい
通気工法は、夏場の熱気を効率的に逃がせる半面、冬場は通気口内に冷たい空気が通ります。
そのため、建物が冷気の影響を受けやすく、室内温度が低下しやすい点がデメリットです。
十分な性能の断熱材を施工するなど、快適な住まいになるような工夫を取り入れましょう。
▷関連コラム:冬も「暖かい家」にする12の工夫|構造・性能・設備・間取りのポイントを解説
夏も冬も快適な通気工法である「通気断熱 WB工法」

夏も冬も快適な室内環境を確保したいなら、一般的な通気工法ではなく「通気断熱WB工法」をおすすめします。
「通気断熱WB工法」は、夏と冬で空気の流れをコントロールできる通気工法のことです。
気温の変化によって通気口が開いたり閉じたりする特殊な部材を使い、冬場の冷気をシャットダウンします。

夏は通気口から外気を取り入れて湿気や熱気を逃がし、冬場は室内に溜まった湿気のみを排出する方法です。
住まいの快適性をより高めたい方は、「WB工法」について解説したこちらのコラムもぜひご覧ください。
▷関連コラム:通気断熱「WB工法」とは|愛知県名古屋の認定店「国松工務店」が仕組み・特徴を分かりやすく解説
愛知・名古屋の国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする工務店です。
「WB工法」の認定工務店として、ご家族と建物の健康を守る住まいをご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
通気工法は高気密・高断熱な木造住宅の長寿命化において重要な工法のひとつです。
施工次第で効果に差が出るため、適切な設計や工事をしてくれる住宅会社への依頼をおすすめします。
また、より住まいを高めたいなら「通気断熱WB工法」の採用も検討しましょう。
WB工法の認定工務店である愛知県の「国松工務店」へお気軽にご相談ください。
監修者情報

-
国松工務店では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
家づくりのご相談なら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
詳しいプロフィールはこちら
最新の投稿
モデルハウスやイベントで
実際の「温度と空気と水」を
ご体感ください。

