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第一種換気の「熱交換型」とは何か|仕組みや種類、メリット・デメリットを解説

  • 家づくりの豆知識

第一種換気の「熱交換型」とは何か

 

熱交換器が付いた第一種換気システムは、冷暖房費を抑えた快適な暮らしを送りたい方に適した換気方法です。

こちらの記事は、「熱交換型」の仕組みや種類、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

他の換気方法との違いや採用する際の注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

<コラムのポイント>

  • ・熱交換器付き第一種換気システムは、排気時に回収した熱を給気に伝え、室温に近い空気を取り込むことができる仕組みです。
  • ・住まいの快適性や冷暖房費を削減できる点がメリットですが、導入コストや施工の難しさなどにデメリットがあります。
  • ・熱交換型第一種換気システムは、給気口・排気口の位置やダクトの配管などの細かな設計が性能に大きく関わるため、施工実績が豊富な住宅会社に相談しましょう。

 

国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。

24時間換気システムの種類にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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建築基準法で24時間換気システムの設置が義務化されている

24時間換気システムの家

▷施工事例:塗り壁の北側玄関とデザインウォール

 

現在の建築基準法では、24時間換気システムの設置が義務付けられています。

24時間換気システムとは、建物に給気口と排気口を設け、2時間に1度は家中の空気が入れ替わるように常に換気するシステムです。

住宅で採用されることが多い24時間換気システムは「第三種」「第一種」の2種類があります。

 

第三種換気システム

第三種換気システムとは、自然の力で給気して、機械によって排気する換気方法です。

換気扇の吸引力を利用して、空気の流れをつくっています。

屋外の空気がそのまま建物に入るため、外気温に室温が影響されて快適性を確保しにくく、冷暖房費もかかりやすいです。

一方で、初期コストが抑えられ、メンテナンスの手間も少ないなどのメリットもあります。

 

第一種換気システム

第一種換気システムとは、機械の力で「給気」と「排気」の両方を行う換気方法です。

外気を計画的に取り込むことができるため、室内の空気を効率よく入れ替えることができます。

また、多くの第一種換気システムには「熱交換器」が搭載されており、快適な室温を保ちながら換気が可能です。

次章からは、熱交換器付きの第一種換気について詳しく解説します。

 

第一種換気システムの「熱交換型」とは

熱交換型第一種換気システムの家

▷施工事例:広い庭と造作収納

 

第一種換気システムの「熱交換型」についてご紹介します。

 

熱交換器の仕組み

熱交換型第一種換気システムとは、排気に含まれる熱を回収し給気に伝える機能を持ったシステムです。

熱交換器は、汚れた空気に含まれる熱を回収してから排気し、屋外から給気したきれいな空気に熱を移す役割があります。

給気と排気で熱交換が行われることで、外気を室温に近い状態にして室内に取り込むことが可能です。

 

熱交換器は「全熱」と「顕熱」の2種類

熱交換器は「全熱(ぜんねつ)」「顕熱(けんねつ)」の2種類に分かれます。

 

  • ・全熱:熱と湿度を交換、高温多湿地域に向いている
  • ・顕熱:熱のみを交換、寒冷地に向いている

 

お住まいのエリアやライフスタイルによって、どちらが適しているのかは異なります。

住宅会社が採用している熱交換型第一種換気システムはどちらのタイプなのか確認してみてくださいね。

 

熱交換器付き第一種換気システムのメリット

熱交換器付き第一種換気システムのメリット

 

熱交換付きの第一種換気システムを採用するメリットをご紹介します。

 

換気しても外気温に影響されにくく快適

大きなメリットは、換気しても室内が外気温に影響されにくい点です。

熱交換によって冬場は外気を暖め、夏場は冷やしてから室内に取り込めるため、部屋の温度が変化しにくく快適です。

さらに、全熱交換型は湿気も交換するため、室内の乾燥や多湿も防ぐことができます。

▷関連コラム:冬も「暖かい家」にする12の工夫|構造・性能・設備・間取りのポイントを解説

 

冷暖房効率が高まるため光熱費を抑えられる

熱交換器があると室温に近い空気を取り入れられるため、冷暖房効率が高まる点もメリットです。

エアコンなどの冷暖房設備を省エネ運転にしても快適な室温を保ちやすく、快適性と同時に光熱費の削減も期待できます。

特に高気密高断熱の住宅では、窓や壁からの熱の出入りが少ないため、熱交換の効果がより一層発揮されます。

 

フィルターでPM2.5などの有害物質を除去して給気できる

熱交換型第一種換気システムには、給気口に高性能なフィルターが付いている機器が多いです。

室内に給気する際にフィルターを通すことで、次のような有害物質を除去できます。

 

  • 花粉
  • PM2.5
  • 砂ぼこり

 

室内にきれいな空気が取り込めるため、身体にいい空気環境の住まいをつくりたい方にも、熱交換型第一種換気システムはおすすめです。

▷関連コラム:家の中の花粉はどこから・なぜ入るのか|日常的・家づくりに取り入れたい対策14選

 

熱交換器付き第一種換気システムのデメリット

二階リビングのデメリット

 

熱交換器付きの第一種換気システムを採用するデメリットをご紹介します。

 

導入コストがかかりやすい

熱交換器付きの第一種換気システムは、他の換気システムと比べて導入コストがかかりやすいです。

特に、第三種換気を標準仕様とする住宅会社の場合、数十万円単位の増額になる可能性もあります。

熱交換型第一種換気システムに仕様変更する必要があるなら、あらかじめ追加費用を確認しておきましょう。

 

住宅の性能不足だと効果を体感できないケースも

熱交換型第一種換気システムを採用しても、住宅の断熱性・気密性が低いと快適さを体感しにくいケースもあります。

なぜなら、換気によって室温に近い空気を取り込んでも、建物の壁や窓から熱が逃げてしまって快適性が下がるからです。

熱交換器の効果を最大限に活かすなら、高気密高断熱住宅も併せて検討しましょう。

▷関連コラム:【高気密高断熱住宅】デメリットと9つの対策|必要ない・後悔したと言われる理由も

 

実績の少ない住宅会社だと換気効率が落ちる可能性がある

熱交換型換気システム施工実績が少ない住宅会社に依頼すると、換気効率が落ちる可能性があります。

なぜなら、熱交換器・給気口・排気口の位置、ダクトの配管などは間取りに合わせた細かな計画が必要だからです。

エアコンの近くに排気口を付けると非効率ですし、無理なダクト配管では空気の流れが悪くなります。

熱交換型第一種換気システムを採用するなら、実績豊富な住宅会社に依頼しましょう。

 

国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。

年間を通じて温度差が少ない地中熱を利用した第一種換気システムをご提案しております。

▷国松工務店の換気システムについてはこちら

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熱交換型第一種換気システムは「いらない」のか

熱交換型第一種換気システムはいらないのか

 

住宅の換気について調べてみると「熱交換型換気システムはいらない」との声もあります。

しかし、実際には熱交換型を採用すべきかはケースバイケースのため、ご自身のライフスタイルや家づくりに対する考え方に沿って選ぶことが大切です。

 

熱交換型第一種換気システムがおすすめな家庭

次のようなご家庭は、熱交換型第一種換気システムがおすすめです。

 

  • ・高気密高断熱住宅を建てる予定
  • ・快適な室内環境を確保したい
  • ・冷暖房のランニングコストを抑えたい
  • ・窓による換気をほとんどしない

 

室内の性能を高めて快適でエコな家づくりをしたい方に、熱交換型第一種換気システムは向いています。

また、花粉やアレルギーがあり、1年を通じてほとんど窓を開けて換気しない方もメリットが大きいです。

 

熱交換型第一種換気システムが不向きな家庭

次のようなご家庭は、熱交換型第一種換気システムが向いていないかもしれません。

 

  • ・住宅性能よりも価格にこだわりたい
  • ・窓を開けて換気する頻度・期間が長い
  • ・メンテナンスや故障時の負担を少なくしたい

 

とにかく初期費用を抑えた家づくりをしたいなら、第三種換気などの低コストなシステムを選びましょう。

窓を頻繁に開ける場合は熱交換の効果が薄れてしまうため、必要性は低いかもしれません。

また、日常的なメンテナンスや故障時の手間や費用をかけたくない方にも、熱交換型第一種換気システムは不向きです。

 

熱交換型第一種換気システムを採用する際の注意点

熱交換器付き第一種換気システム注意点

 

熱交換型第一種換気システムを採用する場合は、次のような点に注意しましょう。

 

熱交換率の高さをチェックする

熱交換器を選ぶ際は「熱交換率」に着目することが大切です。

メーカーや製品によって性能に差があり、熱交換率が90%の高効率タイプもあれば、70%程度の機器もあります。

熱交換率が高いほど室温に近い空気を取り込めるため、住まいの快適性が向上しますが、機器の価格が高くなるケースが一般的です。

 

ダクトあり・ダクトレスを選ぶ

基本的に、熱交換器型第一種換気システムはダクトが配管されていますが、中には「ダクトレス」のタイプもあります。

 

【ダクトあり】

  • ・メリット:熱交換器に効率的に空気を集められ、外周面の排気・給気口が1ヵ所でシンプル
  • ・デメリット:ダクトは配管計画が重要になり、無理な施工によって換気効率が低下するケースも

 

 

【ダクトレス】

  • ・メリット:施工性が高く、ダクト配管による間取りへの影響がない
  • ・デメリット:風の通り道であるダクトがないと換気が不十分になるリスクがあり、外周面につく給気口・排気口の数も増えるためお手入れが手間だと感じる方もいる

 

 

現状はダクトありの熱交換型第一種換気システムを導入している住宅会社が多いです。

ダクトレスを希望する場合は、施工できる会社が限られるため、早めに対応可能な住宅会社を探しておくことが大切です。

 

フィルターの性能を確認する

フィルターの性能を確認することも大切です。

熱交換型の第一種換気システムは商品によって使用されているフィルターが異なり、カットできる有害物質の種類や除去率にも差があります。

また、フィルターのお手入れのしやすさや交換時期もメーカーによってさまざまです。

高性能なフィルターを選べば、よりきれいな空気を室内に取り込むことができますので、仕様をしっかり確認してみてくださいね。

 

まとめ

熱交換型第一種換気システムは、室温に近い空気を効率よく取り入れられる点が魅力です。

冷暖房効率が向上し、光熱費の削減にもつながるため、快適さと経済性を両立できます。

住まいの性能を高めたいなら、住宅会社が採用する換気システムの内容を細かくチェックしてみてくださいね

 

国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。

60年以上にわたり愛知県で家づくりを続けてきた弊社に、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者情報

国松工務店編集部
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