軒のない家は10年後にどうなるのか|メリット・デメリットと後悔しないためのポイントを解説
軒のない家は近年トレンドの外観デザインですが、住み心地やメンテナンスが気になるという意見も多いです。
そこで今回は、軒のない家のメリット・デメリットを解説し、想定できる10年後の状況をお伝えします。
軒の出がほとんどない住宅を採用して、後悔しないためのポイントも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<コラムのポイント>
- ・軒のない家は、スタイリッシュなデザイン性や建築の費用面などにメリットがあります。
- ・軒の出がほとんどないことで、雨漏りや外壁劣化のリスクが高まるため、建築時に対策することが大切です。
- ・デザイン性と性能のどちらも妥協せず、質の高い軒ゼロ住宅を提案してくれるような、実績豊富な住宅会社に相談しましょう。
愛知・名古屋の国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
軒のないおしゃれな家を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Contents
軒のない家(軒ゼロ住宅)とは
軒のない家とは、軒の出がほぼない家のことです。
軒とは、外壁から張り出した屋根の部分のことを指し、日差しや雨を遮るなどの役割があります。
住宅において軒は必須ではないため、採用せずに住まいを建てることも可能です。
軒のない家は「軒ゼロ住宅」と呼ばれることもあり、近年人気のスタイリッシュな外観を実現するための屋根デザインとして、採用される機会も増えてきました。
軒のない家のメリット
軒のない家のメリットをご紹介します。
メリット① キューブ型などのスタイリッシュな外観になる
外壁面から屋根がほとんど出っ張らない「軒のない家」は、スタイリッシュな外観デザインをつくりやすいです。
キューブ型の外観をつくる際にも、軒のない家なら全方向から見たときの外観デザインを美しく仕上げることができます。
屋根の存在感をなるべく無くした外観デザインにしたいなら、軒をなくした緩やかな勾配の屋根がおすすめです。
▷関連コラム:四角い家のメリット・デメリット|キューブ型の家のおしゃれな外観実例とポイントも
メリット② 屋根面積が減って建築費用が抑えられる
軒ゼロ住宅は、軒が深い家と比べて屋根面積を抑えられるため、材料費の削減につながります。
建築費用を削減できるのはもちろん、再塗装する際にコストカットできる点もメリットです。
さらに、屋根材の使用量が少ない分、工期の短縮につながるケースもあります。
メリット③ 室内に日差しを取り込みやすい
軒がない家は、屋根が日差しを遮ることがありません。
そのため、冬場でも太陽光を室内に取り込みやすく、明るく心地良い空間をつくることができます。
また、隣家との距離が近い場合にも、軒をなくして日当たりを確保する方法は効果的です。
▷関連コラム:冬も「暖かい家」にする12の工夫|構造・性能・設備・間取りのポイントを解説
メリット④ 敷地の境界付近まで家を配置しやすい
軒のない家は、境界付近まで家を配置しやすい点もメリットです。
一般的に軒の出も建築面積に含まれるため、狭小住宅の場合は特に建ぺい率の制限を受けやすくなります。
その結果、床面積を削らなければならなかったり、敷地を有効活用できなかったりするなど様々なデメリットが生じます。
軒の出がほぼない家なら、外壁面を境界ギリギリまで配置することができ、広い居住空間を確保することが可能です。
軒のない家のデメリット
軒のない家のデメリットをご紹介します。
デメリット① 雨や直射日光が外壁に当たって傷みやすい
軒のない家は、屋根で外壁に当たる雨や直射日光を遮れません。
その結果、雨水や紫外線の影響を直接受けてしまい、外壁の劣化が早まりやすくなります。
特に、外壁の色あせやシーリング材のひび割れ・剥離につながるケースがあるため、注意が必要です。
デメリット② 外気の影響を受けやすくなる
軒のない家は、夏場に外気の影響を受けやすくなる点もデメリットです。
窓から強い日差しが差し込むため、室温が上昇しやすくなります。
断熱性の低い建物の場合、外壁内に熱を溜め込んでしまい、部屋の冷房が効きにくくなるケースも多いです。
▷関連コラム:夏でも涼しい家にするための暑さ対策14選|構造・性能・間取りの工夫で快適な住まいに
デメリット③ 雨漏りのリスクが高まる
軒ゼロ住宅の場合、雨漏りのリスクが高まる点も注意しなければなりません。
軒がないと屋根と外壁の接合部に雨水が伝わりやすく、そこから雨漏りする可能性があります。
特に、強風や大雨が多い地域ではリスクが高まるため、十分な防水対策が欠かせません。
デメリット④ メンテナンスの頻度が高くなりやすい
軒のない家は、外壁が劣化しやすいため、メンテナンスの頻度が高くなるケースも少なくありません。
メーカーが推奨する年数よりも、早めのタイミングで外壁の塗装やコーキングの交換が必要になる可能性もあります。
適切なタイミングでメンテナンスしないと、壁内に雨水が侵入するリスクも高まるため注意が必要です。
デメリット⑤ 重厚感のある外観をつくりにくい
軒のない住宅は、重厚感のある外観をつくりにくい点がデメリットです。
一般的に重厚感のある家は、建物の上部に重心を置いたデザインにしますが、軒がないと上部の存在感を強調しにくくなります。
そのため、重厚感のある外壁を採用するなど、外装材の素材や色選びの工夫が必要です。
愛知・名古屋の国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、1棟ずつ丁寧に設計することを心掛けております。
軒のない家のデメリットを熟知したスタッフが、対策をしっかりとご説明しますのでお気軽にお問い合わせください。
軒のない家は10年後にどうなるのか
軒のない家に長く住むとどのようになるのでしょうか。
全くメンテナンスや対策を行わないと、次のようなことが起きるリスクがあります。
- ・雨漏り
- ・外壁の色あせ
- ・コーキングの劣化
- ・室内の快適性の低下
- ・冷房費の上昇
10年後には、外壁の再塗装や雨漏りによる修繕が必要になる可能性もゼロではありません。
また、室内の快適性や冷房費に関しては、入居1年目から実感する可能性も十分に考えられます。
ただし、これらの問題は建築時の対策によって、リスクを軽減させることが可能です。
軒のない家に10年住んでも後悔しないためのポイント
軒のない家に10年以上住んでも後悔しないためのポイントをご紹介します。
耐久性・耐候性の高い外壁材を選ぶ
耐久性や耐候性の高い外壁材を選ぶことが大切です。
雨や直射日光が当たっても劣化しにくい外壁材なら、軒のない家でも一般的なメンテナンスの頻度を保つことができます。
色あせしにくい外壁材は、メンテナンスの回数を減らせるだけでなく、外構の美しさを保ちやすい点もメリットです。
建物全体の断熱性を高める
建物全体の断熱性を高めることで、軒がなくても直射日光の影響を和らげることができます。
サッシのグレードを高め、建物全体を断熱材で覆うことで、室内外の熱の移動を減らすことが可能です。
断熱材は種類だけでなく、厚みや隙間のない施工なども重要なポイントのため、信頼できる住宅会社に依頼することが大切です。
適切な防水処理を行う
適切な防水処理を行うことも大切なポイントです。
軒ゼロ住宅の場合、屋根と外壁の接合部は雨水が伝わって雨漏りしやすくなるため、丁寧な施工と定期的な点検が必要です。
防水シートや水切り金物を適切に施工し、板金カバーでさらに防水性を高めるなど、様々な方法がありますので住宅会社に確認してみましょう。
窓の上に庇を設置する
窓の上に庇を設置する方法もあります。
庇とは独立した小さな屋根のことで、軒のように日差しや雨を遮ることが可能です。
外気の影響を受けやすい大きな窓の上などに庇をつけることで、室温の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
シェードを後付けして日差しを遮る
窓の前にシェードをつけて、日差しを遮る方法も効果的です。
シェードは後付けも可能なため、入居後の対策として覚えておくことをおすすめします。
窓からつながるテラスにもシェードをかけることで、快適なアウトドア空間をつくることも可能です。
建物に凹凸をつけて部分的に軒をつくる
建物に凹凸をつけて部分的に軒をつくる方法もあります。
上の画像は、メインの屋根には軒がありませんが、窓周りだけ壁を立たせて下屋をかけた事例です。
2階の窓は下屋、1階の窓はバルコニーの軒ができ、日差しを遮っています。
定期的な点検を心掛ける
軒のない家で後悔しないためには、定期的な点検を心掛け、適切なタイミングでメンテナンスすることが大切です。
点検をしていないと、雨漏りや外壁の劣化が進み、大掛かりなリフォームが必要になるケースもあります。
アフターフォローまでしっかりしてくれる住宅会社を選び、建物の状態を維持することを心掛けましょう。
まとめ
軒のない家は人気がありますが、外気の影響を受けやすく、外壁が劣化しやすいなど様々なリスクがあります。
しかし、耐久性の高い外壁を選んだり家の断熱性能を高めたりすることで、対策することが可能です。
デザインと暮らしやすさを両立させつつ、軒のないスタイリッシュな外観を提案してくれるような、実績豊富な住宅会社へ相談しましょう。
国松工務店は、「家を創り、家族を創る」をモットーに、快適性とデザイン性にこだわった家づくりをする名古屋の工務店です。
60年以上にわたり愛知県で家づくりを続けてきた弊社に、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者情報

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国松工務店では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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